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1円から領収書


1円から領収書

まず以下の文章を見てください。

自民、公明両党のプロジェクトチームは12日、政治資金規正法の改正問題について「(人件費を除く)すべての政治資金支出の領収書を公開する」ことで基本合意した。自民党はこれまで、政党交付金支出に限り「1円以上」の全領収書を公開する方針だったが、より高い透明性を求める公明党に譲歩した。ただ、公開には「行政コストの肥大化防止に配慮する」との留保条件をつけており、実際に改正案で「1円以上」の全領収書公開を実現するかは、あいまいさを残した。

(2007年10月12日21時56分配信 ヤフーニュースより転載)

今までは5万円以上から領収書が必要ということでした。しかし、1円から領収書という話になってきています。その理由として政治資金の使い方が不透明であったり、不祥事を相次いだりしたことが原因であるといえます。1円でも大切なお金でありますが、この1円から領収書というのは本当に良いことであるのか。少し考えてみました。

領収書とは

まず、領収書とは何なのでしょうか。
領収書とは代金受取人が支払い者に対して、金銭を受け取ったことを証明するためのものです。領収書発行は任意であるため、必ずしも発行する必要がない。しかし、支払い者が領収書発行を求めた場合は、発行の義務があると考えられています。

つまり、コンビニなどで買い物をしたときに、支払い者が領収書は必要ないといえば発行しなくても何の問題もありません。しかし、支払い者が領収書は欲しいといえば領収書を発行しなければいけません。通常は、領収書が欲しければ受け取ることができるのです。

税法上の扱いとして、鉄道や路線バスといった公共交通機関の運賃などの例外を除き、領収書で証明ができないと、税法上経費として認められないことになっています。

1円の大切さ

1円でも税金は税金です。大切にしてもらいたいものです。そう考えたときに、1円からの領収書は、1円でも大切にしようという考え方なのでしょうか?

上の領収書の説明を見ればわかるとおり、1円から領収書もやろうと思えば可能であると言えます。だた、問題があるのも事実です。1円から領収書発行になったために行政コストが肥大化してしまったら意味がありません。領収書を整理するために時間を費やしたり、経費をかけたりするのでは本末転倒になってしまいます。いかに経費をかけないで領収書を公開するか、そのバランスが大事になってくると思います。
これを意識しなければ、また税金が無駄に使われてしまいます。

国民が求めているものは

政治資金の情報公開が基本となっている世の中ですが、国民が求めているのは政治家が使った1円からの領収書すべてを見たいのではありません。国民が支払っている税金を、国民のために正しく使っているかを知りたいと思っているはずです。本来ならば、5万円以上から領収書を添付するということでもいいのです。ただ、政治家の不祥事があまりに多く、正しくお金が使われていないため、1円から領収書という方向に向かっているのです。また、政治資金の不透明な部分が多いことも問題になっています。

1円から領収書にすることで不祥事が減ったり、不透明な部分がなくなったりするかもしれません。しかし、領収書整理にお金や時間を費やすのであれば、別の意味で正しくお金が使われていないため、国民が求めているものとは違ってくると思いますし、良いことではないように感じます。そこらへんを考えて1円から領収書の意味を考え、少しずつ修正して欲しいと思います。